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【書評】現実に逃げるな。二次元と向き合え。『電波男』 本田透 著

 

電波男

電波男

 

 

 

 

 

オタクは現実に勝ったあああっ‼

 

ーP2 「まえがき」より

 

 

 

 

時は2005年。

 

 

世間では「イイ女がオタク男を脱オタさせてイケメンにしてイチャラブする」という筋書きの「電車男」がはやりまくっていた頃、その流行に「待った!」をかけた漢がいた。それこそが、俺がひそかに師と仰ぐ本田透大先生である。今回紹介する電波男は、まさしくその名のとおり、『電車男』流の「脱オタ=正義」という価値観に真っ向からケンカを売った快作だ。

 

 

本書の内容を簡単に説明すると、すさまじいまでにモテないキモメンニートの著者・本田透が(実際にはニートではないのだが)自分を虐げ続けた女に対する怨念を爆発させつつも、「三次元(現実)の恋愛>>>(越えられない壁)>>>>二次元(空想)の恋愛」という従来の常識を全破壊し、「二次元の恋愛>>>>>>>>>(越えられない壁)>>>>>>>>>>>>三次元の恋愛」という斬新な価値観を、古き良きオタクならではの膨大な知識量を武器として高らかに宣言しまくるといったもの。

 

 

とにかく、三次元恋愛に対する筆者の思い切りっぷりが実にステキで、本田氏にとって三次元嫁が二次元嫁に勝る点など、部屋の掃除をしてくれるか否か程度のことに過ぎないというのだ。「恋愛など、電通による洗脳だ!」と言い切る本田氏は、三次元女を「コストがかかる、スペースをとる、チェンジがきかない、経年劣化する、中古市場である」など、もう言いたい放題。いいぞもっとやれ。

 

 

正直、この本は内容の面白さはともかく、論旨としては賛否両論別れるらしい。中でも「否」派の意見として一番多いのは、本田氏がまるで自分をオタクの代表・すべてのオタクの代弁者のようにして語っているところが気に食わない、というものだ。

 

 

つまり、オタクの中でも本田氏がごとく女性に対して恐竜のような怨念を持ち合わせている者はごくごく一部に過ぎず、そんなイレギュラーの立場から「オタクは現実に勝った」とか言われてもそれはちょっと…ということである。

 

 

例えて言うならあれだね。サイコミュ搭載型ザクが「ザクもそろそろ、ニュータイプに合わせて品種改良していくべきじゃね?」とか主張した結果、エルメスジオングのみならず、同じザク族からも袋叩きにあってる感じだね。「テメエ、試作型の分際で語ってんじゃねえぞ!」ってね。あとはやっぱり、本田氏自身が「顔・金・セックス」でしか男を判断しない女どもの悪口を思いっきり言いまくってる半面、自分は自分で不細工な女や年くった女を思いっきり差別しまくってるところなんかも、気に入らない人にはとことん気に入らないんじゃないかな、と思う。

 

 

でもまあ、論旨とか主張の正しさとか、そんなもんこの際どうでもいい。妬みで本書いてもいいじゃない。嫉みで本書いてもいいじゃない。面白かったら、もうなんだっていいじゃない!そう思わせてくれるだけの「圧倒的な勢いと面白さ」が、この本にはあります。個人的にお気に入りの箇所をいくつか抜き書きすると

 

 

 

「キモメン・ニート・オタク」

 

この三つの属性を持っている人間を、俺は「第一級恋愛障害者」に認定するね!当然、俺自身が認定第一号だ!給付金よこせ、おらぁ!(第一章-1「モテない男の現状」より)

 

 

蛇っ…!蛇っ…!恋愛資本主義は、狡猾な蛇だ。「オタクの犯罪性」を報道し続け、オタクを「一種の人格障害」であると印象付ける操作を片手で行いながら、もう一方の手では「脱オタすれば、美人と恋愛ができる」と囁きかける。だが、俺は騙されない。(第二章-1「『電車男』に騙されるな!」より)

 

 

もう言うまでもないだろう。

二次元の住人になるんだっ!

「現実を見ろ!俺達にはもう、二次元しかないんだ!」

アニメを見ろ!同人誌を読め!ゲームで遊べ!

「俺がこのキャラと恋愛するとしたら」と、ひたすら妄想しろ!(第4章―1「起こせ!萌えレボリューション」より)

 

 

 

 

…などといった調子。

 

いかがだろうか?はっきり言って、合わない人にはどこまでも合わないどころか、嫌悪感を抱かせることすらあるかもしれない。だが、合う人にはどこまでも合う。名著とはそういうものではないだろうか。実際、自分はこの本を多感な高校生の頃に読んでしまった結果、感化されすぎて、10年以上経った今でも女性に対する思いは歪んだままです。どうしてくれるんですか本田先生。

 

 

「モテない」ということに引け目を感じている君!女性に対して怨念を募らせている君!アニメや漫画が好きなのに、やはりどこか「オタク趣味はキモイ」という固定観念に縛られている君!そして、単純に面白い本を読んで大笑いしたい君!

 

 

そんな君は、今すぐ『電波男』を読もう!

 

 

ウェルカム・トゥ・アンダーワールド

 

 

 

電波男

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